富豪刑事 Balankce:UNLIMITED

Special

各話解説 check-7

  • 第7話は清水、仲本、武井の過去のエピソードがメインとなりましたが、19年前と現在との、各キャラクターにおける変化など、
    意識したポイントはありますでしょうか。(特に清水と武井は現在とかなり印象が変わったように思います)

    第7話は清水、仲本、武井の過去のエピソードがメインとなりましたが、
    19年前と現在との、各キャラクターにおける変化など、
    意識したポイントはありますでしょうか。
    仲本を慕っている人物の描写もあります。
    (特に清水と武井は現在とかなり印象が変わったように思います)

    check07_img1
    清水は、捜査一課にいたときはバリバリ働いていたので体型はシュッとしているし、眼光も鋭いです。
    しかし、この第7話で描かれた事件をきっかけとして現対本部に異動させられ、第一線で捜査をすることもなくなりました。
    そんなわけで、のほほんと趣味であるプラモづくりに勤しんでいるうちに、性格も身体も丸くなってしまいました。
    check07_img2
    武井は、過去エピソードではまだまだ駆け出しの刑事でしたが順調に実績をつんで、今や捜査一課のトップに立ち、頼りがいのある上司として課を率いています。
    check07_img3
    長さん(仲本)は、19年前の事件が迷宮入りになってからもずっと、たった一人でそれを追い続けています。
    その事件以来彼の中の時計は止まったままで、表面的には老けた以外の変化は見て取れませんが、その心の内には積もり積もった執念が澱のように溜まっています。
  • 今回、武井の隠された過去が明らかになりました。
    自身の中の正義と野望の間で葛藤する複雑な思いがあったのではないかと思いますが、
    彼を描く際にこだわった点がありましたら教えてください。

    今回、武井の隠された過去が明らかになりました。
    自身の中の正義と野望の間で葛藤する
    複雑な思いがあったのではないかと思いますが、
    彼を描く際にこだわった点がありましたら教えてください。

    check07_img4
    単純に、良い奴・悪い奴という風に色分けできないようなキャラクターにしようと思っていました。
    不正に加担しているということに忸怩たる思いを抱きながらも、自分が力を手に入れた暁にはより多くの正義をなしてみせる……と、心の中で自らを正当化しています。
    しかし結局、その事件以来19年間、その時不正に加担したことについて後悔の念に苛まれ続けることになりました。
  • 蝉時雨の中、仲本と武井がスイカバーを食べるシーンが何かを比喩しているようでとても印象的でした。
    他にも、武井の見た仮想世界での描写など、彼が追い詰められていく様子が伝わってきましたが、
    こうしたシーンを作る上でこだわった部分を教えてください。

    蝉時雨の中、仲本と武井がスイカバーを食べるシーンが
    何かを比喩しているようでとても印象的でした。
    他にも、武井の見た仮想世界での描写など、
    彼が追い詰められていく様子が伝わってきましたが、
    こうしたシーンを作る上でこだわった
    部分を教えてください。

    check07_img5
    夏の暑い公園で話す状況は僕が作りましたが、スイカバーを食べながらのアイデアは、本読みに参加してくれていた脚本家の神林裕介さんのアイデアです。
    神林さんに聞いたわけではないですが僕の理解としては、武井は昔気質の長さん(仲本)への気配りとしてチョコミントやソーダ味ではなくスイカ味を買ってきたのではないかと。
    そして、その後19年間も事件を追い続ける長さんの執念深さや几帳面さを上手く表現できるアイデアとして取り入れさせてもらいました。
    このシーンを作る上で考えていたことは、理屈とか証拠で武井を追いつめていくのではなく、ギラギラと太陽が照りつけるなか蝉がうるさく鳴いていて、刑事たちが汗を拭きながら地道に捜査をしている……そういうノスタルジックでちょっとセピア色の世界の中で追いつめていったほうが武井を落としやすそうだな、と。
    まあ、本当は、汗臭いドラマが好きなのでこれ幸いと状況を利用しただけなんですが。