富豪刑事 Balankce:UNLIMITED

Special

各話解説 check-1

  • 神戸大助は原作とは異なるキャラクター、加藤 春はアニメのオリジナルキャラクターとして描かれていますが、 二人のキャラクター性はどのように決まっていったのでしょうか?

    神戸大助は原作とは異なるキャラクター、 加藤 春はアニメのオリジナルキャラクターとして 描かれていますが、二人のキャラクター性はどのように 決まっていったのでしょうか?

    パソコンに残っているファイルを確認すると、この企画が始まったのは2017年の春です。
    もう3年も前になるので、かなり記憶が曖昧であることを最初に言い訳しておきます(笑)。
    原作である小説「富豪刑事」が、神戸大助を単独の主人公として描いているのに対して、アニメはバディものにするということは、かなり初期に決まっていたように記憶しています。
    一方が札束で人のほっぺたを引っぱたくような“富豪刑事”なので、その相方となる加藤を、そういう行為を唾棄すべきものだと考えるような人一倍正義感の強い男にすれば、熱いドラマになるのではないかと考えながら、キャラクターを作っていきました。
    また神戸大助の性格についても、加藤との対立を際立たせるために原作の少しおっとりした性格から変更を加えて、冷徹なキャラクターとして造形しました。
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  • 視聴者への顔見せとなる第1話を作るにあたり、重要視したポイントや、描きたかった要素はどのような部分でしょうか?

    視聴者への顔見せとなる第1話を作るにあたり、 重要視したポイントや、 描きたかった要素はどのような部分でしょうか?

    まず第一に、加藤と大助のキャラクターを存分に見せるというのを重視しました。
    “庶民と富豪”、“正義漢と冷徹漢”、そんな正反対な二人が相棒になってしまって、さぁ、これからどうなるの? と、なればよいなと。
    あと、監督の伊藤さんやプロデューサーから要求されたのは、神戸がどれほど金を持っていて、どれほど破天荒に、どれほどジャブジャブ金を使って事件を解決するのかという爽快感が欲しいと言われました。
    僕は良くも悪くも真面目な人間なので、こういった荒唐無稽な感じというのが苦手で、副シリーズ構成をつとめて頂いた村上さんをはじめ、脚本打ちのメンバーには本当に助けてもらいました。
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  • 現対本部が初めて登場したシーンでしたが、現対本部を作るにあたっての裏話があればお聞かせください。

    現対本部が初めて登場したシーンでしたが、 現対本部を作るにあたっての 裏話があればお聞かせください。

    まず、“過去に捜査一課という第一線の部署にいた加藤が、何か問題を起こして配属された先”ということが、加藤というキャラクターからの逆算として決まっていたので、“部署そのものが窓際”のような感じで考えました。
    “現代犯罪対策本部準備室”という名称も、なんだかもっともらしいけど、いったい何をやってるのかよくわからない感じを出そうと、脚本打ちのメンバーで案を出し合って決めました。
    構成メンバーについては、“窓際”ではあるけれどやさぐれた雰囲気にはしたくなかったので、湯本はギャンブル、亀井はエロ動画鑑賞、清水はプラモデル、紅一点の佐伯はお菓子といった具合に、それぞれ趣味を持って人生を楽しんでいるようにしました。
    なので、日々真面目に警察官としての仕事に取り組んでいるのは、加藤と長さんくらいでしょうか(笑)。
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  • 橋から落ちそうになっている加藤を見て、大助が笑うシーンが非常に印象的でした。 このシーンが生まれた経緯や意図などありましたらお聞かせください。

    橋から落ちそうになっている加藤を見て、 大助が笑うシーンが非常に印象的でした。 このシーンが生まれた経緯や意図などありましたら お聞かせください。

    まず神戸大助という人間を、ピカレスク(悪漢)として描きたいと思っていました。
    そもそも、なんでも金で解決しようとする人間が道徳的なわけがありません。
    神戸大助は、事件を解決するためには平気で人の心も金で買おうとします。
    なので、世間一般の道徳なんてバカにして心の中で冷笑を浴びせているのですが、見ず知らずのマヌケな強盗を救うために命を投げ出そうとした加藤という男を目の当たりにして、あまりに自分の価値観と違うために、思わず面白くなってニヤリと笑みがこぼれたのだと思います。
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